住まいづくりブログ
2020/07/17
長期優良住宅とは? その①
投稿者:株式会社ウッドフレンズ/二ホンのくらし
長期優良住宅って・・・?
皆さま、長期優良住宅についてご存知でしょうか?
住宅を検討されている方は、どこかで耳にされているかと思います。ただ、住宅会社によっては、標準仕様であったり、あまり積極的に勧めていなかったりと、家づくりにおいて、どこまで重要視するべきかどうか判断に戸惑う方もいらっしゃるかと思います。
そこで、今回は長期優良住宅についてお話したいと思います。
長期優良住宅とは、住まいを長期にわたって良好な状態で使用可能にするために、様々な基準を設けて、その基準をクリアした住宅のことを指します。
これは、平成21年6月4日に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいたものです。
この法律の目的は、住宅を長期にわたり使用することにより、解体や除去に伴う廃棄物の排出を抑制して環境への負荷を低減するとともに、建替えに掛かる費用の削減によって、国民の住宅に対する負担を軽減し、より豊かで、よりやさしい暮らしへの転換を図ることにあります。
ですので、その促進のために税制面の優遇もあり、メリットが大きいものと言えます。
そんなに普及してないんじゃないの?
これまでの住宅のように20~30年したら建替えする、というような事ではなく、耐久性が高く、長く使える住宅となるため、お客様にはメリットが大きいと思いますが、それほど普及していないのではないか? という意見もあります。
これまでは、住宅会社側が積極的に推奨してこなかったという背景があり、愛知県などの一部自治体を除いて、全国的にはそれほど普及してきませんでした。
では、長期優良住宅に対して積極的ではない住宅会社は、どういったことを理由に消極的な姿勢をとられているのでしょうか?
①設計・申請に時間とコストがかかる
②建築コストが増える
③メンテナンス費用が増える
主には、上の3つが理由として挙げられるのではないでしょうか?
①については、「自社の建物はそもそも長期優良住宅の基準以上だから、あえて余計な設計・申請費用を払うメリットがない」という意見です。
たとえば、長期優良住宅で求められる耐震性能は耐震等級2以上と規定されていますが、「自社の耐震等級は3相当を標準としているので、長期優良住宅の基準を大きくクリアしています」と言ったようなケースが該当します。
そのような性能が標準仕様の会社であれば、必要な設計図書をそろえて申請するだけですが、建築確認申請に必要な図面のほかに、多くの設計図書が追加で必要となったり、申請期間が余分に必要であるなど、手続き等の煩わしさのために、消極的になっているのではないかと思われます。
たしかに、建築確認申請では必要のない「外皮性能計算表」などの追加設計図書を新規で用意するのは、なかなかハードルの高い作業となるでしょう。このほかにも、プレカット図面や地盤改良施工計画書など、これまでは、工事が始まるまでに揃っていれば良かった図面を、申請段階でそろえておかないといけないというのは、これまでのやり方を変えなければいけないので、なかなか難しく、出来ればやりたくないと消極的になるのも無理はありません。
②に関しては、基本仕様の性能が低ければ、当然コストアップとなりますが、仕様を良くすればコストが増えるのは当たり前の話で、これもデメリットとは考えにくいです。
ただし、近年お値打ちなローコスト住宅が増えており、そこまで仕様を良くする必要はない、というニーズが増えていることも確かです。そのようなニーズのお客様に対しては過剰提案となるため、消極的にならざるを得ないのも事実でしょう。
③に関しても②と同様に、長期優良住宅の場合は長期にわたる定期点検が必須となりますが、長く快適に住まい続けようと思えば、点検費用を払ってでも定期的な点検・メンテナンスをしておいた方がよい事はご理解いただけるのではないかと思います。
自動車でも定期点検があり、消耗品の交換をして長く乗り続ける事が可能になるように、車よりも使用期間が長い住宅であれば、制度として点検を行うようになっていた方が、お客さまも安心なのではないでしょうか?
長期優良住宅を取得するメリットとは?
住宅会社側のハードルの高さについては分かりましたが、高いハードルをクリアしても長期優良住宅の認定を取得することのメリットとは何でしょうか?
長期優良住宅の建物は、数世代にわたり住宅の構造躯体(少なくとも100年継続使用するための措置が講じられている)が使用でき、かつ構造躯体に比べて耐用年数の短い内装・設備の維持管理やメンテナンスがしやすいよう考慮されています。
そのような建物を、維持保全計画に基づき定期的にメンテナンスを行うことで、長く快適にお住まい頂けることが最大のメリットです。
次回は、長期優良住宅を取得する事のメリットについて、より具体的なお話をしようと思いますので、楽しみにお待ちください。